2023.02.17 Fri
生物科学科トピックス一覧

【生物科学科】植物コース・卒業研究の成果を発表

2月7日(火)、5号館で理工学部生物科学科、植物コースの卒業研究発表会が開催されました。
植物1▲発表の様子
植物2▲多彩な研究テーマに取り組みました
当日は14名の学生が発表を行いました。それぞれの発表後には質疑応答が行われ、発表者は、学生や教員からの質問に丁寧に答えていました。
発表された研究テーマは以下の通り。
所属研究室
研究テーマ
根本研究室 
宮城県⽯巻市牧⼭の植物相調査
根本研究室
⽇本に⽣育する外来コマツナギ(マメ科)の由来の推定〜中国産Indigofera bungeana complexとの⽐較〜
根本研究室
マメ科ハギ属ビッチュウヤマハギとケハギの種⼦発達過程の⽐較
根本研究室
海浜植物ハマヒナノウスツボ(ゴマノハグサ科)の種⽪形態
依田研究室
⽯巻専修⼤学演習林におけるスギ林の林分構造
依田研究室
⽯巻専修⼤学演習林におけるマダケとハチクの識別
依田研究室
カツラの葉の表裏⾯にみられる撥⽔性の検証
依田研究室
QGISを⽤いた植物分布図の作成
中川研究室 
花卉の品種改良に向けたシロイヌナズナの変異遺伝子の検討
中川研究室
牡⿅半島清崎の野⽣テンの散布する種⼦の構成
宮嵜研究室 
ヒゲカビpil変異株およびcol変異株の有性⽣殖
宮嵜研究室
ヒゲカビの胞⼦発芽における活性酸素種/活性窒素種
宮嵜研究室
ヒゲカビの矮性変異株におけるATP産⽣とアルコール発酵
渡辺研究室
ネアンデルタール⼈とホモ・サピエンスの共存︓2種の競争モデルによる数理的解析
<卒業研究発表を終えて>
荒川 泰臣さん(生物科学科4年次)
植物3▲発表する荒川さん
植物4▲質問にも丁寧に答えました
①卒業論文のテーマ・研究内容
「花卉の品種改良に向けたシロイヌナズナの変異遺伝子の検討」をテーマとして研究を行いました。
DNAの配列がすべてわかっているモデル植物のシロイヌナズナを材料に、切り花として栽培されている花卉を鉢花化するのに適した変異遺伝子を検討しました。
はじめに、植物の大きさを小さくしたり、花の数を増やしたりすることができる変異体を5つ選び、それぞれの植物のかたちを細かく調べました。次に、変異体同士を掛け合わせた二重変異体を含む9つの変異体を鉢花化のための検討条件で選抜しました。その結果、1つの二重変異体が全ての検討条件を満たしたので、鉢花化に適した変異遺伝子を見つけることができました。
②そのテーマを選んだ理由
私の地元の特産品が竜胆(リンドウ)で、栽培面積・生産量・販売額ともに日本一を誇ります。切り花や鉢花はもちろん、近年ではブーケやブライダルシーンでも活躍しており、オリジナル品種もたくさん展開しています。このリンドウをもっとたくさんの人に知ってもらうには、成長過程も楽しめて花壇などよりも比較的育てやすい鉢花をさらに普及できればいいのではないかと考えました。鉢花は切り花ほど品種が多くないので、鉢花の品種を増やしたいという思いから今回の研究を行うことにしました。シロイヌナズナはリンドウと同じように花茎が伸び、多くの変異体の遺伝子情報がわかっているので、鉢花化するのに適切な変異遺伝子を選ぶための材料にしました。
③卒業論文・卒業研究で苦労した点
植物が研究材料なので、自分の予想通りにいかないことが多々ありました。同じ遺伝子を持つ植物でもかたちや大きさにばらつきが出たり、変異の影響で生育が悪くなったりと自分ではどうすることも出来ない問題が発生することもありました。それでも諦めず実験を繰り返し行い、約450個の植物のデータをとることができました。また、水やりにも気を使いました。毎日植物の状態を観察し、その日によって水の量を変えたり、カビや病気が出ないようにしたりと、よく観察しながら丁寧に作業することを心掛けました。
④卒業後の目標
卒業後は農業関係の仕事を行うので、研究で培った生き物を扱う経験や作業の進め方、状況把握能力を活かして精進していきたいと思います。