人間教育学科の特色ある授業
「専門教養演習」
履修年次 2年次通年 必修科目

 本演習では、保育・教職について職務の実際、保育や指導等の内容、ならびに現状と課題などについて担当教員や現場指導者の指導のもと、学生自らがテーマを設定し、調査・研究や就労体験を行います。 また、その成果を発表することを通じて、保育・教育に関する実際的・実践的な理解を深めるとともに、今後の幼児教育実習や初等教育実習に生かせるようにします。
 特徴的な授業としては、防災教育の一環として実施している震災遺構見学が挙げられます。本演習では、事前指導として、大川小学校高等裁判所判決書で示された事実認定と安全確保義務の判断を学び、その後、震災遺構見学を行います。
 この見学では、大川小学校での被災状況について語り継ぐ活動を行っている「大川伝承の会」の代表者(遺族の方)などからお話を伺います。学生たちは震災前の地域や学校の様子、震災当日の状況についてメモを取りながら熱心に話を聞き、大川小学校での教訓を未来に伝え、常日頃から防災意識を保っておくことの重要性を認識します。そして、遺族からの説明を通して、いのちの尊厳と教員としての防災に向かう姿勢、「未来を拓く」ために歩みをとめないことの大切さを学びます。

①震災機構見学▲事前指導① 
②震災機構見学▲事前指導②
③震災機構見学▲佐藤共同代表による説明
④震災機構見学▲モニュメント①
⑤震災機構見学▲モニュメント②
⑥震災機構見学 ▲震災遺構の様子
⑦震災機構見学▲震災遺構の景観
⑨震災機構見学▲子どもたちの校庭 
⑧震災機構見学▲未来を拓く
履修者の感想
 
・Y・Nさん 
…防災教育全体を通して、教師の視点と児童の視点で被災について考えることができました。また、実際に津波の被災地に足を踏み入れ、東日本大震災の被害を受けた方の話を聞くという貴重な体験をすることができました。今回学んだ経験を、自分が教員になった際に児童に伝えていきたいと強く思いました。 
 
・K・Hさん
…話を聞いている途中涙が止まらなくなってしまいました。他人事ではないのだと強く感じました。裁判の内容を納得することも事実だと信じるのも難しいと思ってしまいました。今を生きている私たちは何ができるのかを改めて考えていく必要があると思いました。これからの未来に伝えていくこと発信していくこと自分自身が忘れないことを目標にしていきたいと思いました。
 
・S・Oさん
…大川小学校に行き、語り部の佐藤さんがお話ししてくれた話の中で「ここは未来を拓く場所、そのためにあの日を無かったことにせず、向き合い希望の防災へと繋げていくのだ。」という言葉が特に印象に残っている。復興が進むにつれて人々の中であの日の記憶が薄れてきてしまう。それは私自身もそうである。また、私よりも若い年代の子どもは大きな悲劇をもたらした震災を知らないで生活している。いくら避難場所をしていても、体験していないため、イメージすることが難しい。 その記憶の風化を止めるためにも、語り部の方の存在や震災遺構を残しておくことが必要だと感じた。