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アジア史ゼミナール(インド、東南アジア、西アジア)[担当:志賀 美和子]

ゼミナール名称アジア史ゼミナール(インド、東南アジア、西アジア)
研究テーマ教員の専門がインド近現代史なので、インドに興味を持つ学生が多いものの、その他にも、インドネシア近現代史、ヴェトナム現代史、オスマン帝国史などアジアの他の地域に関心を抱く人もいます。また、アラブから見たヨーロッパ観、インド洋交易、宗教紛争の歴史的背景など、具体的なテーマに関心を持つ学生もいます。このように、各学生の研究対象が多岐にわたるため、お互いに教え合い、知的に刺激し合っています。
ゼミナール所属文学部歴史学科
学習内容アジア史ゼミナールは、学生による発表と議論を中心に据えています。発表は、「テーマ研究」、「書評発表」、「研究発表」の3種類です。

テーマ研究は、ゼミ生全員が協議してその年のテーマを決定します。たとえばある年度は、「マイノリティ」「インドとの比較」という共通テーマを設定しました。その上で、各人が自分の関心分野に基づいて研究・発表し、全員で質疑応答・議論を行いました。特定地域におけるマイノリティを取り上げたもの(インドのムスリム、中東のキリスト教徒、スリランカのタミル人、オスマン帝国におけるアルメニア人など)が多かった一方で、二項対立図式の中で等閑視されてきた存在に着目したもの(ヴェトナム戦争における韓国兵など)、人口的には少数ではないものの「弱者」であるという観点から女性を「マイノリティ」として研究したもの(インドにおける女性差別問題)など、様々な切り口での発表が行われました。いかに「マイノリティ」を定義するか、いかなる条件でマイノリティが「問題」化するのか、などをめぐって、活発な議論が交わされました。

書評発表は、アジア史に関する著作を各ゼミ生が選択し、内容紹介と批評を行います。著者の主張を正しく把握し、それをわかりやすく紹介する能力と技術を培います。同時に、その内容を鵜呑みにせず、問題点を指摘する力も養うことができます。

研究発表は、卒業論文作成に向けて、各ゼミ生が自分の関心テーマに従って、現在調べていることを発表します。

いずれの発表においても、全員が質問し意見を述べることが求められるため、質問する力、発言する力が日々磨かれています。
ゼミ生の人数全30人 (4年生5人、3年生11人、2年生14人)(男性17名、女性13名)
開講日時など毎週木曜日4限・5限
卒業論文・卒業研究歴史学科に所属する学生は、卒業論文を書くことが卒業要件の一つになっています。最初は、どのようなテーマを選べばいいのか戸惑う学生も多いのですが、ゼミナールの中で先輩の発表を聞き、議論する過程で、自然と自分のやりたいテーマが固まってきます。もちろん教員も、漠然とした興味関心から具体的なテーマが見つかるようにアドバイスをします。

これまでに、次のような卒業論文が提出されました。
・インド独立運動家R・B・ボース
・1919-1922年の民族運動におけるG・D・ビルラーとそのナショナリズムの性格
・南アジアにおける神秘主義と聖者崇拝
・大航海時代と東南アジアの港市
・イギリス植民地下インドにおける政治と宗教―全インドムスリム連盟の歴史的役割
サブゼミナール私たちの日常生活にあまりなじみのない海外の歴史と文化を理解するためには、映画が有効な手段です。本ゼミナールでは、映画を鑑賞する機会を積極的に設けています。例えば、『きっとうまくいく』(ヒンディー語)は、インドの熾烈な学歴競争社会を揶揄したコメディですが、その中にも経済格差、カースト問題、宗教対立、女性差別などの問題が垣間見られ、インドに関する関心と理解と深めることができました。また、比較的「洗練された」ヒンディー語映画とは異なる映画文化をもつ南インドの映画として『アルナーチャラム』(タミル語)を鑑賞し、比較考察しました。
ゼミナール合宿隔年でインド研修旅行を実施しています。重厚な歴史的建造物、熱狂的な信心が伝わる壮麗な寺院、活気にあふれた市中など、ダイナミックに変化しているアジアを、インドを通じて感じとることができます。

ゼミ生の多くが初めての海外経験となりますが、インド研修旅行で強烈な印象を受け、改めて日本を客観的に見つめなおす機会としているようです。
教員紹介志賀美和子[研究者情報データベースへ]

1583835052430▲インドへの研修旅行
[2014年5月掲載]