同性婚法

パートナーシップ登録に関する法律

Lag om registrerat partnerskap:utfärdad den 23 juni 1994.

第1章 パートナーシップの登録

(Registrering av partnerskap)

第1条 同じ性をもっているものは、パートナーシップ登録(registrering av partnerskap)を行うことができる。

第2条 次に掲げる者は、スウェーデン国内においてパートナーシップ登録を行うことができる。

1.パートナーシップ登録当事者の一方が2年以上、スウェーデン国内に住所を有している場合

2.パートナーシップ登録当事者の一方がスウェーデン国内に住所を有し、且つスウェーデン国籍を有している場合

デンマーク、アイスランド、オランダおよびノルウェー国籍を有する者についてはスウェーデン国籍を有する者と同一に取り扱われる。(2000年法律第374号において改正)

第3条 18歳未満の者または直系血族もしくは父母を同じくする兄弟姉妹はパートナーシップ登録を行うことができない。

父母を異にする兄弟姉妹の場合、政府または政府によって指定されている官庁の許可を得てパートナーシップ登録を行うことができる。

 パートナーシップ登録を行おうとする者の一方が婚姻している場合、または既にパートナーシップ登録を行っている場合、パートナーシップ登録を行うことができない。

 パートナーシップ登録資格はスウェーデン国内法の規定によって審理される。

第4条 パートナーシップ登録を行う場合、登録に先立ってパートナー登録資格の審査を受けなければならない。

第5条 パートナーシップ登録資格審査については、婚姻法第3章および第5章の婚姻障害審査に関する規定が適用される。

 第6条 パートナーシップ登録を行う場合、証人を立ち会せなければならない。

第7条 パートナーシップ登録には登録当事者双方の出席を要する。登録当事者はパートナーシップ登録に際し、登録官(registereingsförrättare)の質問に対して、その登録に同意していることを表明しなければならない。パートナーシップ登録当事者からの意思表示が行われた後、登録官は、二人が登録されたパートナーシップ(registrerade partner)であることを宣言しなければならない。

 前項の規定に反してパートナーシップ登録を行った場合、またはパートナーシップ登録官がその権限を欠いていた場合、パートナーシップ登録は無効とする。

 但し、前項の規定によって無効となる登録であっても、相当の理由がある場合、政府はその登録を有効とすることができる。その場合、無効行為の転換は、パートナーシップ登録当事者の一方からの申し立てに基づいて、当事者の一方が死亡している場合には、死亡している当事者の相続人からその旨の請求が行われ、且つ他の一方の当事者からその請求が行われた場合においてのみこれを認めることができる。

第8条 パートナーシップ登録官は、地方裁判所の専門裁判官または県行政府によってパートナーシップ登録官に任命されている者でなければならない。

第9条 パートナーシップ登録には本法のほか、婚姻法第4章第5条、第7条および第8条ならびに政府によって定められた規則が適用される。

  パートナーシップ登録を欲する者の国籍が異なる場合、婚姻および後見に関する国際関係法[Lag (1904:26 s.1) om vissa inter5nationella rättsförhållanden rörande äktenskap och förmynderskap]第1章第4条乃至第9条の規定が適用される。

第2章 登録されたパートナーシップの解消

(Upplösning av registrerat partnerskap)

第1条 登録されたパートナーシップは、当事者の一方の死亡または裁判所の判決によって解消される。

第2条 登録されたパートナーシップの解消については婚姻法第5章の規定が適用される。

第3条 登録されたパートナーシップの解消および登録されたパートナーシップ関係の存在または不存在に関する争いは、パートナーシップ事件(partnerskapsmål)として処理される。本法およびその他の法律によって定められている婚姻訴訟に関する規定はパートナーシップ事件に対しても適用される。

第4条 本法の規定によってパートナーシップ登録が行われている場合、パートナーシップ事件は常にスウェーデンの裁判所において審理される。

第3章 登録されたパートナーシップの法律的効果

(Rättsverkningar av registererat partnerskap)

第1条 登録されたパートナーシップは、第2条乃至第4条に規定されている場合を除いて、婚姻と同様の法律的効果を有する。

本法またはその他の法律において婚姻または夫婦の身分関係に関して規定されている事項は、本章第2条乃至第4条に規定されている場合を除いて、婚姻夫婦の場合と同様、パートナーシップ登録を行っている者に対しても適用される。

第2条 パートナーシップ登録当事者は、親子法第4章の規定によって養親として、単独または共同して養子を取ることができない。またパートナーシップ登録当事者は、親子法第6章第10a条の規定によって、共同して未成年者の監護者となることができない。(1995:1254)

 人工授精法[lag (1984:1140) om insemination]および体外受精法[lag (1988:711) om befruktning utanför kroppen]の規定は、パートナーシップ登録当事者には適用されない。

 第3条 夫婦に適用される規定で、且つ夫婦の性に基づかないで、夫婦の一方のみに特別に適用される規定は、パートナーシップ登録当事者には適用されない。

第4条 婚姻、養子縁組および後見に関する国際関係法規則[förordningen (1931:429) om vissa internationella rättsförhållanden rörande äktenskap, adoption och förmynderskap]に関する規定は、登録されているパートナーシップ当事者には適用されない。

本法の規定は、1995年1月1日から施行される。

パートナーシップ登録に関する規則

Förordning (1994:1341) om registrering av partnerskap

第1条 本規則は地方裁判所における専門裁判官または県によって任命されたパートナーシップ登録官によって行われるパートナーシップ登録に適用される。

第2条 地方裁判所の裁判官によって行われるパートナーシップ登録は、地方裁判所の所長または所長によって任命された裁判官によって行われる。但し、裁判官によるパートナーシップ登録の受付は執務時間内とする。

パートナーシップ登録のために県によって任命されている登録官の執務時間は県によって定める。

第3条 パートナーシップ登録のための時間と場所は、パートナーシップ登録を行う者とパートナー登録官の協議によって決定される。

 第4条 パートナーシップ登録に際し、登録官はまず最初に、パートナーシップ登録当事者に対して、パートナーシップ登録が第三者に対する公示手続きであること、二人に意思の確認であることおよびパートナーシップ登録によってパートナーシップ登録者は相互に権利と義務を負担する者であることを説明しなければならない。その後で、登録官はパートナーシップ登録者に対して、

「あなたはOOをパートナーと認め、生涯、苦楽を共にしますか。」と問え、その返事を得た後、

「お互いに手を取り合って、そのことを確認しなさい。」という。そのことが終わった後、登録官は、

「今、あなた方は、登録されたパートナーとなりました。」と宣言し、

 「あなた方は、今、あなた方が行った貞節の約束を決して忘れないで下さい。あなた方とあなた方の家庭に平和と幸福がもたらされることをお祈り申し上げます。」と述べなければならない。

第5条 パートナーシップ当事者がそのことを欲する場合、登録官は第4条に規定されている文言に代えて、次の文言を用いることができる。

   「あなた方は、あなた方がパートナーシップ登録を行うことを旨を宣言しなさい。」

「あなたはOOをあなたのパートナーとして迎えますか。」

「はい」

「あなたはOOをあなたのパートナーとして迎えますか。」

 「はい」

 「あなた方は、今、登録されたパートナーになりました。」

第6条 パートナーシップ登録官は、直ちにその旨を特別の登録簿に登録しなければならない。登録簿には登録の行われた場所、時間およびパートナー登録当事者の住所、氏名および職業を記載しておかなければならない。

登録の通知を関係税務署に行う場合、登録官は登録の余白に登録通知の日時を記録しておかなければならない。

 

第7条 県によって任命されているパートナーシップ登録官は、毎年1月31日までに、前年度の行われたパートナーシップ登録事項を記載したパートナーシップ登録簿を県に提出しなければならない。

第8条 県によって任命されているパートナーシップ登録官は、一回のパートナーシップ登録について、110クローネの報酬を得ることができる。

 但し、同一日に二回以上のパートナーシップ登録を処理した場合、第2回目以降の登録事務について一回につき、30クローネの割り増し報酬を請求することができる。

 

第9条 第8条に規定されている報酬は、パートナーシップ登録官の請求に基づいて、県によって支払われる。

 

 この規則は1995年1月1日から施行する。

         以上 (菱木昭八朗訳)

参照 菱木昭八朗「スウェーデン同性婚法」ジュリストNo.1056 (1994年11月15日号)

  


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