第4章 養子縁組

(4Kap. Om adoption)

 

 第1条 25歳に達した者は、裁判所の許可を得て、養子縁組を行うことができる。但し、自分の子を養子とする場合、または配偶者の子を養子とする場合もしくは相当の事由ある場合で、且つ養親となる者が18歳に達している場合、養子縁組を行うことができる。(1974:236)

 

 第2条 1988年法律第1251号により削除。

 

 第3条 夫婦は共にしなければ養子を取ることができない。但し、夫婦の一方の居所が知れない場合、または夫婦の一方が強度の精神的障害にある場合、他の一方は単独で養子縁組を行うことができる。夫婦の一方が他の一方の同意を得て、他の一方の子または養子もしくは自己の子を養子とする場合、配偶者の一方は単独で養子縁組を行うことができる。(1991:1546)

 

 第4条 夫婦以外の者は、共同して養子を取ることができない。(1970:840)

 

 第5条 12歳に達した子を養子とする場合、本人の同意を得なければならない。但し、次に掲げる場合にはその限りでない。

 1.養子となる者が16歳未満の場合で、且つ本人の同意を得ることが本人に対して精神的苦痛を与えるおそれのある場合、

 2.精神的障害またはそれに類する事由によって同意を得ることができない場合(1991:1546)

 

 第5a条 18歳に満たざる者を養子とする場合、親の同意を得なければならない。母親からの同意は、出産後、充分に健康を取り戻した後でなければその同意を求めてはならない。他人の養子を養子とする場合、養子の養親の同意を得なければならない。養親の一方が養子の実親と婚姻している場合、双方の同意を得なければならない。

 但し、前項に規定されている者が強度の精神的障害にある場合、または子の監護に関与していない場合、もしくは居所不明の場合には同意を要しない。第1項の規定によって必要な同意を与えるべき者がいない場合、子のために特別に選任された監護者(vårdnadshavare)からその同意を得なければならない。(1994:1433)

 

 第6条 裁判所は養子縁組を許可すべきか否かを審理しなければならない。裁判所は養子縁組が子の利益となる場合で、且つ養親と養子となる者の個人的な人間関係からみて相当と認められる場合においてのみ、その許可を与えることができる。養子縁組をみとめることが適当であるか否かを判断する場合、裁判所は子の同意を要しない場合であっても、子の年齢、成熟度に応じて子の意思を尊重しなければならない(1995:1242追加)

 養子縁組当事者のいずれか一方から他の一方に対して補償金が支払われ、またはその約束が行われていた場合、もしくは子の扶養料の支払いが約束されていた場合、養子縁組の申請を許可してはならない。但し、扶養料が一時払いの形で養親が住民登録を行っているコミューンの社会福祉委員会に払い込まれる場合、または委員会に対して養親と委員会によって承認された金額の払い込みが約束されている場合、その限りでない。委員会に払い込まれた金銭は、払い込み契約においてそのことが禁止されていない場合、または子の扶養のために別に有効な手段がある場合を除いて、委員会はスウェーデンの保険会社を通じて、扶養義務終了後の子のために終身年金保険の購入に当てることができる。

 裁判所においてそのことが知れた場合、養子縁組の申請が却下される内容の補償または扶養に関する契約は、養子縁組が許可された場合であっても無効とする。(1991:487)

 

 第7条 次に掲げる場合、養子と養親および養親との親族関係はすべてその効力を失う。

 1.養子が養親の配偶者以外の者によって養子とされた場合

 2.養子が養親と婚姻した場合 (1970:840.)

 

 第8条 親族または姻族関係に法律効果を与える法律もしくは規則の適用に際し、養子は、養親の子とみなされ、実親の子とみなされない。配偶者の一方が他の一方の実子または養子を養子とした場合、その子は夫婦の共通の子とみなされる。

 但し、法律に別段の規定がある場合、または法律関係の性質から別段の事情が生ずる場合、前項の規定は適用されない。(1976:612)

 

 第9条 養子縁組に関しては養親の住所地を管轄する地方裁判所が管轄裁判所となる。該当管轄裁判所がない場合、ストックホルム地方裁判所が管轄裁判所となる。(1976:612)

 

 第10条 養子縁組の申し立てが行われたとき、裁判所は、養子となる子、養子縁組の申立人に関する個人情報および扶養料または補償金の授受またはその提供が約束されていないか否かを調査しなければならない。養子となる者が18歳未満の場合、裁判所は、養親の住民登録が行われているコミューンの社会福祉委員会、および子の監護を行っている者の住民登録が行われているコミューンの社会福祉委員会の意見を聞かなければならない。

 申請者が住民登録を行っているコミューンの社会福祉委員会は、そのことを不適当と認めた場合、子の立場を明確にし、裁判所にそのことを報告しなければならない。(1995:1242この項追加)

 父または母の同意を求めることを要しない場合であっても、可能な限り、その意見を聞かなければならない。上記規定は、養子が他人の養子となる場合には養親に適用され、配偶者の一方が他の一方の子を養子としている場合にはその双方に適用される。子の監護者が同意を求めることを要しない特別監護者(en särskild förmyndare)の場合であっても、その者の意見を聞かなければならない。(1994:1433 (se vid balurbriken), 1995:1242)

 

 第11条 養子縁組の申立人または利害関係人は、養子縁組問題に関する裁判所の決定に対して訴えを提起することができる。(1976:612.)

 

 

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