第8章 夫婦間の贈与

(8 Kap. Gåvor mellan makar)

 

 第1条 夫婦間の贈与が、一般的な贈与契約の要件を満たしている場合、または本法第16章の規定に基づいて贈与登録が行なわれている場合、その贈与は、有効な贈与とみなされる。

 本法第16章の規定によって、夫婦間贈与の登録が行われている場合、受贈配偶者は、その贈与をもって、贈与配偶者の債権者に対抗することができる。夫婦間の贈与が、専ら、個人的な贈与の場合、または目的物の価格が贈与配偶者の財産状態からみて相当とみなされる場合で、且つその贈与が当事者の間で有効な贈与とみなされる場合、受贈配偶者は、その贈与をもって贈与配偶者の債権者に対抗することができる。

 受贈配偶者が、夫婦間贈与をもって、贈与配偶者の債権者または第三者に対抗するために特別の登録を要する場合、その登録が行なわれていない限り、受贈配偶者は、夫婦間の贈与をもって贈与配偶者の債権者に対抗することができない。

 

 第2条 婚姻中、夫婦の一方から他の一方に対してなされた単なる贈与約束(utfästelse)は無効とする。

 

 第3条 夫婦間に贈与が行なわれたとき、既に、贈与配偶者が、自己の債務を弁済する能力を失っていた場合、または贈与の行なわれたときに負担していた債務を弁済することができなくなっていた場合、受贈配偶者は、受贈財産の範囲内で贈与配偶者の債務を負担しなければならない。但し、個人的贈与(personlaiga presenter)については、その価格が贈与配偶者の財産状態からみて相当とみなされる場合にはその限りでない。夫婦間贈与が、第三者に対する対抗要件を具備したとき、明らかに贈与配偶者の許に債務を弁済するに足る財産が残されていた場合、また同じ。

 受贈配偶者の責めに帰すべからざる事由により目的物が滅失毀損していた場合、受贈配偶者は、目的物の現に存する範囲でその責めを負うものとする。

 但し、破産法及び和議法の規定によって贈与物返還の訴えが提起されている場合、受贈配偶者は、本条の規定によってその責任を免れることができない。(1987:678)

以  上

 

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