新サンボラ−ゲン

(Nya Sambolagen 2003:376)

公布2003-06-12. 施行2003.07.01. 改正2003:45

 

 サンボ当事者(同棲者)の定義

 第1条 ここにサンボ当事者(同棲者)(sambor)とは、婚姻類似の形態において、継続的に住居と生計を共にしている2人の人間(två personer som stadigvarande bor tillsammans i en parförhållande och har gemensammt hushåll)のことをいう。

 本法以外の法律その他の法令において、サンボ当事者または婚姻類似の形態において生活を共にしている者について、類似する文言が用いられている場合、その文言は本法第1条に規定されているサンボ当事者のことを意味するものみなされる。親子法(föräldrabalken)第1章第6条、第8条、人工授精法(lagen (1984:1140) om insemination)及び体外受精法(lagen (1988:711) om befruktning utanför kroppen)の規定は、婚姻類似の形で生活を共にしている男女(sambor av olika kön)(註1)に対してのみ適用される。

 本法の規定は、サンボ当事者のいずれもが婚姻していない場合に適用される。本法の規定は、サンボ当事者の共同住居及び共同家財(sambornas gemensamma bostad och bohag)に対して適用される。

 本法において婚姻に関して述べられていることは、パートナシップ登録法(lagen (1994:1117) om registrerat partnerskap)の規定にしたがって登録されたパートナシップ(registrerat partnerskap)に対しても適用される。

 

 サンボ関係の解消

 第2条 次の場合、サンボ関係は解消される。

  1.サンボ当事者の双方またはいずれか一方が婚姻した場合

  2.サンボ当事者が離別した(samborna flyttar isär)場合

  3.サンボ当事者の一方が死亡した場合

 また、第26条の規定によって、サンボ当事者の双方またはいずれか一方から財産分与人(bodelningsförrättare)の選任請求が行われた場合、もしくはサンボ当事者のいずれか一方が第28条の規定によってサンボ当事者の共同住居に残留請求(rätt att få bo kvar i bostaden)の申し立てを行った場合、またはサンボ当事者のいずれか一方が第22条の規定によって共同住居の引き渡し請求の訴え(talan om övertagande av bostad)を提起したとき、サンボ関係は解消されたものとみなされる。

 

 サンボ当事者の財産

 第3条 サンボ当事者の共同利用を目的として取得されている共同住居及び共同家財(sambors gemensamma bostad och bohag)は、サンボ当事者の共同財産(samboegendom)とみなされる。但し、第4条または第9条に規定されている財産に関してはその限りでない。

 

 第4条 次に掲げる財産はサンボ当事者の共同財産(samboegendom)とみなされない。

  1.サンボ当事者のいずれか一方が他の一方のサンボ当事者以外の者から、受贈者の特有財産(mottagarens enskilda)とすることを条件として贈与を受けた財産

  2.サンボ当事者のいずれか一方が遺言により受遺者の特有財産とすることを条件として遺贈を受けた財産

  3.サンボ当事者のいずれか一方が相続によって取得した財産で、且つ被相続人の遺言によって相続人の特有財産とすることが定められている財産

  4.第1号乃至第3号に規定されている財産に替わるべき財産で、且つその財産を受贈者または受遺者の特有財産とすることを定めている書面に別段のことが定められていない場合の財産

 

 第5条 本法においてサンボ当事者の共用住居(sambors gemensamma bostad)とは、第7条に定められている場合を除いて、次に掲げる財産のことをいう。

  1.サンボ当事者のいずれか一方が所有権またはトムトレット(tomträtt)(註2)をもって所有または占有している土地で、且つその土地の上にサンボ当事者の共通の用に供することを目的としたまたは主としてそのことを目的とした建物が建てられている場合

  2.サンボ当事者のいずれか一方が土地の上に建てられている建物の所有者で、且つその土地が当該建物を建てることを条件として借り入れられている場合、その建物がサンボ当事者の共同利用を目的として、または主として共同利用を目的として所持されている場合

  3.サンボ当事者のいずれか一方が借家権(hyresrätt)またはブースターヅレット(bostadsrätt)(註3)もしくはそれに類する権利をもって取得している建物または建物の一部で、且つその建物または建物の一部がサンボ当事者の共同利用を目的して、または主として共同利用を目的として取得されている場合

  4.サンボ当事者のいずれか一方がブースターヅレット法(bostadsrättslagen (1991:614) 第5章に規定されている予約によって、将来、ブースターヅレットを取得することのできる権利の対象となっている建物または建物の一部で、且つその権利が本契約によってサンボ当事者の共同利用に供することが予定されている場合、または主としてそのような目的をもって取得されている場合

  サンボ当事者がサンボ当事者のいずれか一方の所有名義となっている不動産またはトムトレットをサンボ当事者双方の署名のある文書をもってサンボ当事者の共同利用住居とすることを登録局(inskrivningsmyndigheten)に届け出た場合、また同じ。

 

 第6条 本法においてサンボ当事者の共用家財(sambors gemensamma bohag)とは、第7条に規定されている場合を除いて、サンボ当事者の共同利用のために準備された家財道具(möbler,hushållsmaskiner)、その他の動産(annan inre lösöre)のことをいう。但し、専ら、サンボ当事者の一方の用に供されることを目的として取得されている家財道具は共用動産とはみなされない。

 

 第7条 専ら、余暇利用を目的として取得されている家財道具(egendom som används huvudsakligen för fritidsändmål)は、サンボ当事者の共用住居、共用家財(sambors gemensamma bostad och bohag)とはみなされない。

 

 財産分与

 第8条 サンボ当事者関係がサンボ当事者間の婚姻以外の方法で解消され、且つサンボ当事者の一方から財産関係の清算が求められたとき、サンボ当事者は、それぞれの共同財産(samboegendomen)を財産分与(bodelning)の手続きにしたがって清算しなければならない。財産分与はサンボ当事者関係が解消されたときの財産状態を基準として行われる。

 財産分与の申し立て(begäran om bodelning)は、遅くても、サンボ当事者関係が解消されたときから1年以内にこれを行わなければならない。サンボ当事者関係がサンボ当事者いずれか一方の死亡によって解消された場合、財産分与の申し立ては、遅くとも遺産目録(bouppteckningen)が作成されるまでに行われなければならない。

 

 第9条 サンボ当事者(sambor)または将来のサンボ当事者(blivande sambor)は、契約によって、それぞれ相手方の財産に対して、将来、財産分与の申し立てを行わないこと、または特定の財産を財産分与請求の対象としないことを取り決めることができる。但し、その契約は新しい契約によって変更することができる。

 但し、その契約はサンボ当事者の双方の署名のある書面をもって行わなければならない。

 契約は、サンボ当事者のいずれか一方が未成年者(underårig)の場合であっても、また契約の対象となっている者が親子法に規定されている管理後見人(förvaltarskap)(註4)の監督に服している場合であっても有効とみなされる。但し、その場合、未成年後見人(förmyndare)(註5)または管理後見人(förvaltare)から書面による同意を得なければならない。(註) 契約に定められている条件が契約の内容、契約の成立時の状況、または契約締結後の事情の変更によってその契約内容をまま適用された場合、サンボ当事者の一方にとって不当とみなされるとき、財産分与に際し、その契約を変更または無効とすることができる。

 

 第10条 サンボ当事者はサンボ関係の解消が目前に迫っている場合(inför ett omedelbart förestående upphörande av samboförhållandet)、将来の財産分与に関する契約を締結し、または財産分与に関するその他の契約(予約(föravtal)を締結することができる。その場合、契約は、サンボ当事者の双方の署名のある書面によって行わなければならない。

 第9条第3項に規定されている財産分与に関する条件については財産分与の予約についても適用される。

 

 第11条 サンボ当事者は財産分与が行われるまでに、または財産分与に関する問題が解決されるまでに、それぞれの共同財産、第22条の規定よって引き取ることができる共同財産及びサンボ当事者の一方が管理している他の一方の共同財産を説明しなければならない。

 

 第12条 財産分与はサンボ当事者の共同財産に対するそれぞれの取り分割り合い計算(sambornas andelar i samboegendomen)をもって開始される。

 

 第13条 サンボ当事者の共同財産に対するそれぞれの取り分割り合い計算に際し、サンボ関係が解消されたとき、サンボ当事者の一方が負担している債務を当該サンボ当事者の所有している共同財産から債務相当分を控除しておかなければならない

 債権者がサンボ債務者の所有する共同財産に対して特別優先取得権を有している場合、またはその他の方法で共同財産から債務の弁済を受けることができない場合、債権者は他の財産から債務の弁済を受けることができない範囲において、共同財産から優先弁済を受けることができる。

 

 第14条 共同財産から第12条に規定されている債務控除が行われた後、残余財産が合算される。その後でサンボ当事者は合算された財産に対してそれぞれ2分の1の財産分与を請求することができる。

 

 第15条 特に、サンボ当事者関係の継続期間またはサンボ当事者の経済的状況もしくはその他の状況からみて、第12条乃至第14条に規定されている範囲において他の一方に財産の提供を行うことが不適当とみなされる場合、他の一方に財産の提供を行うサンボ当事者は、財産分与に際し、他の一方より多く自己の共同財産を留保しておくことができる。財産分与が行われたとき、サンボ当事者の一方が破産宣告を受けた場合またはその他特別の事由からサンボ当事者の財産を分割することができない場合、各当事者はそれぞれ自己の共同財産を自己の取り分財産として留保しておくことができる。

 

 第16条 サンボ当事者の共同財産は、サンボ当事者のために計算されたそれぞれの取り分割り合いを前提として、具体的財産について、それぞれの帰属者とその取り分を決定しなければならない。

 その場合、サンボ当事者は、それぞれ自分が一番必要とする住居、家財道具を自己の取り分との相殺において、但し、その価格が僅少な場合、相殺を行うことなしに、その財産を優先的に取得することができる。但し、サンボ当事者の一方が他の一方の所有に帰する住居、家財道具を引き取ろうとする場合、その前提として、諸般の状況からみて、その財産を引き取ることについて相当な理由がなければならない。

 その財産が優先的取得権と結びついている債権に対応している場合、その引き取りのためにはそれ以上の条件がなければならない。他の一方のサンボ当事者が債務免除を受けるか、さもなければその債務に相当する財産を供託に付することが必要である。

 

 第17条 サンボ当事者の一方が他の一方に対して自己の財産を提供する場合、そのサンボ当事者は財産の提供に代えて、その財産に代わるべき対価をもって支払うことができる。また財産の提供者は相当な担保を提供することによって、その支払期間の猶予を求めることができる。対価が支払われなかった場合でも、財産の提供を受けるサンボ当事者は、明らかに不適当とみなされない範囲で他の一方の財産を取得することができる。

 サンボ当事者の一方が債務控除の代償として、住居、家財道具の引き渡しを受け、且つ共同財産からの財産をもって他の一方の取り分を充足することができない場合、財産を引き取ったサンボ当事者はその不足分を金銭で賠償しなければならない。相当な担保を提供した場合、相当な期間、支払い猶予を求めることができる。

 

 第18条 サンボ当事者の一方が死亡した場合、サンボラーゲンに定められているサンボ当事者の財産分与請求権及び住居、家財道具を引き取り請求権に関する規定は、生存サンボ当事者に対してのみ適用される。

 サンボ当事者関係がサンボ当事者の一方の死亡によって解消された場合、生存サンボ当事者は、財産分与に際し、債務控除を行った後、自己の取り分として、死亡サンボ当事者が死亡したときの社会保険法(Lagen (1962:381) om allmän försäkring)に規定されているバースベロップ(prisbasbeloppet)の2倍まで、その残余財産の中から取得することができる。

 相続法(Ärvdabalken)第15章第1条、第3条に定められている相続権喪失(förlust  av rätt till arv)に関する規定は、サンボ当事者の死亡によって行われる財産分与に際し、生存サンボ当事者に対しても適用される。

 

 第19条 財産分与によって不動産が分割され、且つサンボ当事者がそれぞれの取り分にしたがって配分された不動産の持ち分が財産分与証書に記載されていない場合、その不動産は共有財産とみなされる。

 その他の場合にあっては、不動産の一部が異なった所有者に帰するということが財産分与証書に記載されている場合、財産分与はその限度においてその効力を失う。

 

 第20条 婚姻法第9章第5条、第7条、第9条及び第10条の規定は、本法の規定に基づいて行われる財産分与にも適用される。但し、その場合、夫婦に関して述べていることはサンボ当事者にも適用される。その場合、離婚の訴えが提起された時に代わってサンボ関係が解消されたときが適用される。

 

 第21条 財産分与に際し、サンボ当事者が自己の債権者を害する目的をもって第13条乃至第16条に規定されている当該サンボ当事者が取得すべき財産放棄を行った場合、婚姻法第13章第1条及び第2条に定められている夫婦間の財産分与の際に適用される規定が適用される。

 

 サンボ当事者の一方による非共同住居の引き取り請求

 第22条 サンボ当事者のいずれか一方が借家権またはブースターヅレットをもって取得している共同住居で、且つその住居がサンボ当事者の財産分与の対象となっていない場合、他の一方がサンボ関係の解消後、その住居を最も必要とし、且つその他の事情から見てその者に当該住居の引渡しを認めることが相当とみなされる事由がある場合、裁判所はその者に対して当該住居の引き取りを認めることができる。但し、サンボ当事者の間に共通の子どもがいない場合またはいなかった場合、その住居の引き取り理由として特別の事由(synnerliga skäl)がなければならない。

 借家権またはブースターヅレット付き住居の引き取り請求は、遅くともサンボ当事者関係が解消されたときから1年以内に行わなければならない。但し、住居の引き取り請求を行ったサンボ当事者がその住居から既に立ち退いている場合、立ち退いたときから3ヶ月以内にその引取り請求を行わなければならない。その住居を所有していたサンボ当事者が死亡し、且つ生存サンボ当事者が当該住居に居住していない場合、1年の猶予期間は適用されない。

 第1項の規定によってサンボ当事者の一方に住居の引き取りが認められた場合、サンボ当事者はその住居に相当する対価を他の一方の当事者に支払わなければならない。

 対価の支払いは財産分与の際のサンボ当事者の取り分の中で清算される。但し、自己の住居を提供したサンボ当事者がその方法で満足を得られない場合、他の一方はその対価を金銭をもって支払われなければならない。但し、相当の担保を提供することによってその支払期間の猶予を求めることができる。

 

 財産所有サンボによる共同財産の自由処分権の制限(Inskränkningar i rätten att förfoga över det gemensamma hemmet)

 第23条 次に掲げる場合、サンボ当事者の一方は他の一方の同意なしに自己の財産を処分することができない。

  1.サンボ当事者は共同財産を構成している住居または本法第22条の規定によって他の一方の引き取り請求の対象となっている住居を売却、貸与またはその他の利用権付きで他人に貸与する場合

  2.サンボ当事者の共同財産となっている建物の建っている土地またはトムトレットが抵当担保に供される場合

  3.サンボ当事者の共同財産となっている住居または第22条の規定によってサンボ当事者の他の一方の引き取り請求の対象となっている住居に質権を設定する場合

  4.サンボ当事者の共同財産となっている家財道具を売却また当該家財道具に質権を設定する場合

 土地またはトムトレットの売却、抵当権の設定契約に対する同意は書面で行わなければならない。

 サンボ当事者の一方が他の一方の行為に対して同意を行う場合の規定は死亡したサンボ当事者の相続法人がそのような処分を行う場合にも適用される。

 他の一方のサンボ当事者が有効な同意を行うことができない場合、またはその同意を得ることが相当の期間を必要とする場合、その同意を要しない。

 

 第24条 第23条に規定されている処分を行う場合、必要とされる同意を求めることができないとき、サンボ当事者の一方は、裁判所の許可を得てその処分を行なうことができる。

 

 第25条 サンボ当事者のいずれか一方または死亡したサンボ当事者の相続法人が他の一方からの必要な同意または裁判所の許可なく、または他の一方の利益を害する目的をもって財産の利用権を譲渡した場合、他の一方からの訴えに基づいて、裁判所は、その法律行為を無効とし、財産の返還を命ずることができる。サンボ当事者または死亡したサンボ当事者の相続法人が必要な同意なしに、サンボ当事者の共同家財道具を入質した場合、また同じ。但し、家財道具の譲渡、入質に際し、新規取得者が善意をもってその財産を取得している場合、無効宣告を行うことができない。

 第1項に規定されている訴えは、他の一方のサンボ当事者が住居または家財道具の処分を知ったときから3ヶ月以内に裁判所に無効取り消しの訴えを提起しなければならない。但し、土地、トムトレットの譲渡によってその権利の移転登記が承認されている場合、その訴えを提起することができない。

 賃貸借契約解除の訴えが提起される場合、裁判所はその住居に居住している者が退去するために必要な時間的猶予を与えなければならない。

 

 その他の規定

 第26条 婚姻法第17章第1条、第2条及び第4条乃至第9条、第18章第1条の規定は、サンボ当事者間の争いに適用される。その際、夫婦という用語はサンボ当事者と読み替えられるものとする。

 

 第27条 本法に規定されている事件が地方裁判所(tingsrätt)において審理される場合、審理は一人の専門裁判官(en lagfaren domare)によって行われなければならない。但し、事件の内容からみて特別の事由がある場合、裁判所は一人の専門裁判官と3人の参審員(tre nämndemän)をもって構成される。

 政府は、政令をもって、婚姻法第17章第1条に規定されている財産分与人(bodelningsförrättare)について、専門裁判官以外の裁判所職員を選任する規定を設けることができる。

 

 第28条 第8条の規定によって財産分与の対象となる住居に関し、サンボ当事者の一方から請求が行われた場合、裁判所は、財産分与が行われるまでの間、その住居に居住できる者(残留権者)を決定しなければならない。その際、サンボ当事者のいずれか一方から請求が行われた場合、裁判所は、サンボ当事者相互の相互訪問の禁止を命ずることができる。但し、裁判所は何時でもその命令を変更することができる。

 サンボ当事者の一方からの請求に基づいて裁判所が相互訪問禁止の決定を行った場合、その決定は、問題に関する最終決定が行われるまで拘束力を有するものとする。但し、裁判所は、その決定はいつでも変更することができる。また裁判所は、当該事件に関して最終決定が行われるときその決定について再審理を行わなければならない。

 サンボ当事者のいずれか一方が第1項、第2項の規定に基づいて行われた相互訪問禁止命令に違反した場合、訪問禁止に関する法律=ストーカー防止法【lagen (1988:688) om besöksförbud第24条の規定が適用される。

 裁判所がサンボ当事者の相互訪問禁止命令を行う場合、決定に先立って、裁判所はサンボ当事者に対して自己の意見を述べる機会を与えなければならない。(改正 lag 2003:485)

 

 第29条 裁判所の決定によって、財産分与が行われるときまで、その住居に居住することを認められたサンボ当事者はその住居内に存在している他の一方の所有する共同家財を使用することができる。但し、裁判所は、特定の財産について、別段の定めを行うことができる。その後、その財産を所有するサンボ当事者は第三者との契約によって残留サンボ当事者の住居または家財道具の利用権を制限することができない。

 サンボ当事者の一方に対してその住居に残留することが認められた場合、他の一方は直ちにその住居から退去しなければならない。

 

 第30条 財産分与が行われまでの間、その住居に残留する権利に関する請求はサンボ当事者の財産分与に関する争いを管轄する地方裁判所に提起しなければならない。サンボ当事者の一方の住居及び家財道具を処分する場合にもまた同じ。

 

 第31条 裁判所は、サンボ当事者のいずれか一方からその請求がある場合、第22条に規定されている住居の引き取り請求に関する訴訟において、拘束力を有する判決によってその問題が解決されるまでの間、その住居に残留居住する者を決定しなければならない。その際、裁判所は、サンボ当事者の一方から請求が行われた場合、サンボ当事者間の相互訪問の禁止を命ずることができる。残留居住権が借家権またはブースターヅレットを有していないサンボ当事者に認められた場合、裁判所は、一方の主張に基づいて、他の一方に対してその住居の使用料、そのた住居の使用上の注意を与えなければならない。

 サンボ当事者の一方に残留居住権が認められた場合、他の一方は直ちにその住居から立ち退かなければならない。

  第1項の規定によって行われた決定は、確定判決と同様の効力を有し、且つ同様の方法をもって執行される。但し、裁判所はその決定を何時でも変更し、且つ、その事件に関して最終判決を行う場合、その決定を再審理しなければならない。

 サンボ当事者の一方が第1項の規定に反して、他の一方を訪問した場合、訪問禁止に関する法律第24条の規定が適用される。

裁判所はその決定に先立って、サンボ当事者双方に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。(改正 lag 2003:485)

 

第32条 裁判所が訴訟の継続中に第31条第1項に規定されている問題に関する決定を行う場合、その決定に対する特別の訴えが行われなければならない。(改正 Lag 2003:485)

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 1.本法の規定は、2003年7月1日から施行する。本法の施行に伴って、「サンボ当事者の共同ホームに関する法律」(lagen (1987:232) om sambors gemensamma hem)及び「ホモセックス・サンボ当事者(註6)に関する法律」(lagen (1987:813) om homosexuella sambor)はその効力を失う。

 2.本法の施行前にサンボ関係が解消された場合、旧法の規定が適用される。

以 上菱木昭八朗訳2003.07.01)

 

改正関連法令

lag om ändring i ärvdabalken. (23 Kap. 1 §)

lag om ändring i jordbalken. (12 Kap. 33 § , 20 Kap.7§ och 22 Kap.4 §)

lag om ändring i lagen (1941:416) om arvsskatt och gåvoskatt. (15a §)

Lag om ändring i fastighetsbildningslagen (1970:988). (5 Kap. 18 §)

Lag om ändring i lagen (1981:131) om kallelse på okända borgenärer. (2 §)

Lag om ändring i lagen (1990:272) om internationella frågor rörande makars och sambors förmögenhetsförhållanden. (1 §)

Lag om ändring i bostadsrättslagen (1991:614). (2 Kap. 6 § och 5 Kap.6 §)

Lag om ändring i lagen (1993:737) om bostadsbidrag. (3 §)

 

参考文献

SOU 1999:104 Nya samboregler.

SOU 1978:55 Att sambo och gifta sig  Fakta och föreställningar.

SOU 1975:5 Bättre bosättnigar.

Dir.1997:75 Utvärdering av samolagen, m.m.

Prop.1986/87:1  Äktenskapbalk m..m.

Prop.Prop.1986/87:124  homosambolagen

Prop. 2002/03:80  Ny sambolag.

 

Agell/Forsman/Ingebrand;Äktenskap eller samboende. En rättspolitisk och en demografisk undersökning. 1980.

Anders Agell;Ägande rätten till fastighet för makar och samboende.1985.

Anders Agell: Äktenskap Samboende Partnerskap. 1998.

Anders Agell, Äktenskap Samboende Partnerskap (2uppl.)

Lars Tottie;Äktenskapsbalken och promulgationslag m.m. 1990.

Anita Wickström & Unto Komujärvi;Familjerätten En introduktion.2000.

菱木昭八朗「スウェーデンにおける内縁夫婦の財産関係に関する法律について」家庭裁判月報第40巻第6号(昭和63年6月)